一長一短オンデマンド

2次元オタクのあれやこれや

【SideM】これまでとこれからの間の話

 

これはエムステに育てられた自負のあるPが、気持ちの整理のために書いた日記のような何かです。

 

 

THE IDOLM@STER SIdeM GROWING SIGN@L 01 Growing Smiles!

 

アイドルマスターSideMが7周年を迎えた翌日、GROWING STARSのテーマソングとなる「Growing Smiles!」が先行配信されました。

告知から配信までが早いわ!と軽くツッコミながらもワクワクしながら購入しました。

 

アイドルたちのキラキラと力強さと未来への希望がこれでもかと溢れている一方で、アイドルたちの持つ理由とSideMそのものが歩んできた過去が今を支えてくれるような、そんな“315”な曲だと感じました。

 

 

新アプリ、GROWING STARS、めちゃくちゃ楽しみです。新しいCDシリーズも、新しいアイドルたちも、本当に楽しみで。

サイスタだけじゃなくてライブも、モバエムの色んなアップデート含めたこれからの歩みも、SideMの色んなことが楽しみにあります。

 

だからその分、寂しいなぁという思いもあって。

 

1年前、私はこんな記事を書きました。

【SideM】エムステ3周年に寄せて - 一長一短オンデマンド

ざっくり言うと、エムステ好きです!という記事です。主にストーリー面の話をしてました。

私は今でもこの記事を読みながら「わかる〜!」となります。エムステは本当に色んな可能性を見せてくれたものだったと思います。

それは、アイドルたちの持つ可能性だけじゃなくて、私自身にとってもSideMの色んなことを教えてもらったという意味もあったと今になって改めて思います。きっとエムステが無かったら、今こんな風にSideMを、アイマスを楽しめていなかったかもしれない。

だからこそ余計に、お別れしなきゃいけないことがとても寂しい。そして、これからSideMが10年、20年続いても、エムステは4年というSideMの歴史のほんの1ページであり続ける。そのことも、なんだか寂しくて。

でも、それがなんだかすごくSideMだなぁって思う部分もあって。

もちろん、最初から最高のものができて、それがずっと続いていけたらそれが1番良いのかもしれません。でも何もかもそんなに上手くいくわけじゃない。

 

昨年末の、エムステのサービス終了の生放送。辛かったし、泣きもしたけど、SideMがこれからも進んでいくために必要なことなのかもしれない、と感じたのをハッキリと覚えています。特に根拠も無く思ったことだけど、実際に今、SideMがどんどん進んでいることを感じています。新アプリだけじゃなくて色々な側面で。

でも、だからといってエムステは終わって良かった!と思えるわけてもなくて、「なんどでも笑おう」のMVを初めて見た時に、エムステが残る道もあったかもしれないなと悔しくなったこともあって。

 

こんな気持ちがぐるぐるしていて、ここ数ヶ月ばかりモヤモヤ〜っとした心地がどこかにありました。どうしたら払えるかなぁと考えたりもしました。でもやっぱり、無理に払うものでも無いのかもしれないなと思います。

アニメを見て、エムステをプレイしたからこそ今のSideMが大好きな私がいて、担当の隣にいるような気持ちでプロデュースを楽しみたいと思えるようになった私になったのだと思います。

私はSideMに気づいたら人生を変えられていたタイプです。SideMに出会ってなかったら、多分もっと自分にも周りにも厳しい目を向ける人間になってたかもしれない。そんな自分だったら、もっと人生しんどくなってたかもしれない。だからこそ、これからもSideMのことを好きでいたい。

好きでいるために、過去の自分やエムステが好きだからこそモヤモヤ〜っとしてしまうことを無理やり払う必要は無いはず。だって、そんな自分がいたから今を楽しんでいる自分がいるのだから。

 

なんて、そんなことをGrowing Smiles!を聞いて改めて強く感じることができました。

 

 

何度でも言いますが、GROWING STARSをはじめとしたSideMのこれからはほんっとうに楽しみです。アイドルたちの新たな姿が私を支えてくれて、私自身がアイドルたちを支えたいと思うこと、その思いがまた私を支えること。これはきっとずっと変わらなくて、変わらないでいる限り、私はSideMを好きでいられるんだろうなと思います。プロデューサーにも、プロデューサーでいる理由があるのかも。なんて。

 

どうか、末永く315プロの皆を応援できますように!

【ミリシタ】EVERYDAY STARTS!!の思い出【感想】

 

 

アイマス15周年の15時間配信を見終えた後「横山奈緒の担当Pになりたい!!」と突き動かされた結果ミリシタを始めた私P。その後、真壁瑞希の言動に興味をひかれ、気づけば瑞希の担当にもなりたいと思いを抱き、奈緒瑞希担当を名乗るようになっていました。

とはいえ、属性も違えば性格やアイドルとしてのスタイルもバラバラな2人。何かしら共演して欲しいな〜と思うものの既存曲で一緒になったことも無かったので、楽曲実装と共にイベントが行われるミリシタでは一生来ないかもな…レベルで諦めモードでした。

 

ところがどっこい

 

 

来た。

 

奈緒瑞希、そして貴音さん、可奈ちゃん、ひなたちゃんとの歌唱曲、その名も『EVERYDAY STARTS!!』が実装されることになりました。

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(1枚のキービジュ内に担当が揃っているっ……!?だと……?)

 

5人は765プロ総出の生配信イベントの司会者、ということで、ユニットでは無かったのですが生放送後のブログにはこんな1文が。

 

今回はユニットではなく、『みんなを元気に!笑顔をあなたに!』という番組のコンセプトに似合う5人が歌唱メンバーとなっております。

 

みんなを元気に、笑顔をあなたに。そんなコンセプトに似合うメンバー。そこに担当が揃って並んでいるのがもうめちゃくちゃ嬉しかった。

そしてこの楽曲もすごく特別感のあるもので、なんとアイドル52人分の自己紹介が聞ける!これも1人1人個性に溢れていてアイドルを入れ替え立ち替え聞いていくのが楽しい。

麗華さんの和三盆ソングが頭から離れない。

 

「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ゲーム内楽曲『EVERYDAY STARS!!』MV【アイドルマスター】 - YouTube

 

そしてサビもまた良いんだな〜!アイドルのキラキラと、劇場というホームがあるからこその暖かさで胸がいっぱいになるような感覚で幸せになっちゃう。

 

そしてコミュ。MTWのユニットを中心にコーナーをしつつ生放送特有のドタバタやら何やらが本当に文化祭のようなワクワクを感じるストーリー。そして、今回中心となって描かれたのは瑞希の頑張りでした。

瑞希、仲間思いな上に、色んなことに気づけてしまうから、ついつい助けに行ってしまうんだなぁ。もちろんそれは瑞希の良いところではあるのだけれど、1人で動くのには限界がある。そんな瑞希のことを理解して受け止めた上で真っ直ぐに言葉を掛けてくれる貴音さんが最高に頼もしかった。

で、肝心の担当同士の会話というのはそれほど多くは無かったのですが、ちゃんとあった。そしてそこに担当の好きなところがいっぱい詰まってた。

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必要な休憩だったとはいえ、急遽休んだことを瑞希が気にしてしまわないか少しだけ心配だったのですが、この奈緒のいつも通りかつ滞りなく進んでいた事を報告しながらちょっと煽りにいく感じがものすごい絶妙で。

それに「さすがです」と返せるのが瑞希。そして「私も貢献したかった」という言葉が出るんですよ。“私が”ではなく“みんなと”というスタンス。もちろん瑞希にも負けず嫌いな面はありますが、今回は何より、みんなが楽しんでくれるものを私も一緒に作りたかった、という思いなんですよね。

それを奈緒が「根っからのエンターテイナー」と評するのがまた的確〜!奈緒奈緒で気配り上手な子なので軽いノリでありつつ瑞希の気持ちを受け止めてるのがすごく好きなところです。

 

と、一連の会話をひたすら噛み締めるレベルで嬉し楽しかった今回のイベント。とはいえ担当の絡みというものはいくつあっても良いのでまた見れたら良いな〜……なんて。

とりあえずEVERYDAY STARTS!!を早急に配信して欲しい所存です!

あとミリシタももうすぐ4周年みたいで、Anniversaryお祝いできるのは今回が初めてなのでそれも楽しみですね!何か特別なイベントとかあるのかな?!

 

【シャニマス】七草にちかと消せないモノ

 

5月10日、七草にちかの新規pSSR、【♡まっクろは厶ウサぎ♡】が実装され、おかげさまでプロデュースすることができたので、感想のような何かを書き残しておきます。Trueエンドまでのネタバレしかないのでご注意ください。

ちなみに私はシャニマス始めてほぼ50日なので本当にシャニマス世界の一部分しかまだ見れていません。あと、このにちかの物語も見方によって捉え方も書けるものもかなり違ってくるように思います。なので、今回は「消せないモノ」に焦点を当てて自分なりにまとめていきたいと思います。

 

 

にちかと油性ペン

とはいえまず何から書いていこうかと迷ったのですが、とりあえずカード名の話から。

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まず第一印象が「読みづらい……」でした。平仮名と片仮名が不規則に並んでいて、どこで切っていいのかも分からない。これは文句ですが打ち込みにく過ぎる。ハートマーク付いてるからかろうじて可愛く見えなくもないですが、一言で言えば歪です。

このカード名の由来は、4つ目のコミュ『やばいいきもの笑』で分かります。

 

事務所の冷蔵庫に入れるものには、油性ペンで名前を書くように言われたにちかは「他の人に見られるのだから」という理由で、緊張しながらペンを走らせていきます。そして小学校に入学する時、姉であるはづきに油性ペンで名前を書いてもらった時のことを話し始めます。

 

なんか、ヘンなキャラを描いちゃったんですよね ハムスターみたいなやつ!

喜ぶと思ったっぽいんですけど、でも、私がウサギがいいとか言い出したらしくて

お姉ちゃん、耳延ばしたんですよー そのハムスター、上から無理やり!

で、つなぎ目がヘンだから耳全部真っ黒に塗って…… そこだけ真っ黒でヘンだから、全身真っ黒に塗って……

めっっっちゃ怖いやつになったんです……!

 

ウサギになろうとして、真っ黒になったハムスター。外から見れば、真っ黒なウサギ。消せない油性ペンで書いたものだから、継ぎ足す以外にどうしようもない。

最初にこの話を聞いた時、「にちかみたいだなぁ」と思いました。

 

W.I.N.Gコミュでのにちかは、シーズンが進めば進む程、どんどん後戻りができなくなっていく印象を受けます。無理やりアイドルになったものの、自分にはアイドルとしてやっていける程の力が無いから八雲なみの真似をした。けれどそれは想像以上に大変なことで、しかも八雲なみの白盤を見つけてしまい、これまで自分が拠り所にしていた“なみちゃんを信じる心”でさえも揺らぎ始めます。

ですが、1度アイドルの世界に飛び込んでしまった以上、もう後戻りはできません。現実的にはそこでやめることも可能かもしれませんが、何かをやめようと決断することは相当の勇気や精神力がが必要です。しかもにちかは「諦めきれなくて」アイドルになった身で、冷蔵庫に入れるものに名前を書くのにでさえ「他の人に見られるから」という理由で緊張してしまうレベルで“体裁”というものを気にする性格。自分自身でアイドルに見切りをつけることはほぼ不可能でしょう。

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平凡な女の子は、継ぎ足し継ぎ足しながらアイドルになった。それはまるで、真っ黒なウサギみたいなハムスター。カード名の歪さは、にちかの現在の歪な状態を表しているのかもしれません。

 

こう書くととてもネガティブに聞こえるかもしれませんが、この真っ黒ウサギの思い出話は、にちかとプロデューサーの間では笑い話として扱われます。そして、プロデューサーはそのウサギを見てみたいとも言い出します。そこまで言うならプロデューサーの手に描きますね!と言うにちか。

ここで選択肢によって分岐するのですが、「油性ペンは消えないものと認識し、だからこそ丁寧に良いものを描いて欲しいと言うプロデューサー」と「ぐりぐりぐりーー……!!!!!と勢い良くウサギを描いていくにちか」という点では共通しています。

ここで印象的だったのは「ち、小さく頼む!」の選択肢。ここでは唯一、楽しそうにウサギを描くにちかが描写されます。

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楽しそうなにちかと、前向きなプロデューサー。なんだかここに、希望を見い出せるように感じます。

にちかは、アイドルになってしまった、アイドルに憧れてしまったことで全てが塗り変わってしまった存在なのだと思います。

だったらこれからもっともっと塗り進めて行けばいい。怖くたって、やばくたって、歪だって、ウサギはウサギだし、案外誰かの心を奪っちゃうかもしれないから。そして、気づいたら立派なウサギにもなれるかもしれないから。

 

 

 

にちかと言葉

これは私個人の考えですが、この世に言葉ほど厄介なものは無いと思います。口から形も無く流れ出るくせに1度言葉として出したら完全に取り消すことはできない。自分の言ったことを間違いだったと認めることはできても、言った事実そのものを消すことはできません。それは言葉そのものだけでなく、言葉によって受ける心の動きにも、傷にも当てはまることで、時として一生残るものにもなります。

 

にちかと消せない言葉、というと最初に思い浮かぶのはW.I.N.Gコミュの冒頭のシーン。

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大声で言えば言う程、誰かが聞いていればいる程、取り消せなくなることをにちかは知っていました。

この時にちかはプロデューサーに「思い切りがいいことの他には、とにかく平凡な女の子」と評されています。つまり、にちかの大きな特徴は思い切りがいいこと。これは本当に、良くも悪くも、と言うべき特徴だと思います。

 

3つ目のコミュ『あた』での、にちかのバイト先の上司であるフロアマネージャーと、プロデューサーとの会話にこんなものがありました。

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そして、並行して描かれるにちかの言葉。

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自分の気持ちを言葉として表現する時に、その言葉で自分が傷ついてしまう。しかも思い切りが良いからあまり考えずに言葉を発していることも考えられるため、そのせいで頻繁に傷ついているかもしれません。

このコミュのタイトルである『あた』は1つ目の『あたりますね』から抜き出したように見えるのと同時に、痛みを感じた時に思わず口から出る言葉であるようにも見えます。1つ目の『あたりますね』、2つ目の『もっとあたりますね』ではイライラしてプロデューサーにあたるにちかの姿が描かれていましたが、もしかしたらそこでもにちか自身が傷ついていたのでしょう。特に『もっとあたりますね』では、にちかがプロデューサーに対して抱えていたモヤモヤを、言葉としてぶつけている。そしてそれは確実に、にちか自身を傷つけていました。

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自分が何を言っているのか理解しているのに、自分に自信が無くて強がった物言いをして、傷ついてしまう。その傷は簡単に消せないのに。一見矛盾しているようですが、実際よくあることだと思います。

 

私は言葉はものすごく厄介なものだと書きました。それと同時に、言葉には厄介な分だけ力があるとも思います。。そしてにちかは、その力にも縋っているように見えます。

印象的なのはオーディションに合格した時の言葉。

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そして、W.I.N.G準決勝前のプロデューサーとのやりとり。

「予言してください……上手くいくって」

「いくよ」

「……言ってください 可愛いって」

「可愛いよ、にちか 大丈夫だ」

「……可愛い、上手くいく、大丈夫   可愛い、上手くいく、大丈夫……」

無意識的なものかもしれませんが、言葉として形づくることで生まれる力に縋っている。これは、八雲なみの『そうだよ』の白盤に『そうなの?』と書かれていたのを知ったことでにちかが大きく揺らいだことにも繋がってくるかもしれません。

 

要するに、にちかはおそらくその性格も相まって、かなり言葉に振り回されているように感じます。と、同時に、プロデューサーはそれを上手くコントロールできるようにしているようにも感じました。

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先程の3つ目のコミュの続きのシーンです。

 

出なかったら、パンチでいい

 

パンチというワードは1つ目のコミュでも登場していました。(選択肢の分岐先の中の1つでしたが)

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やばい、という言葉を上手く説明できなかったにちかが発したもので、また、パンチするということは言葉を介さずに相手に意思を伝えられる行為の1つでもあります。これを、プロデューサーはにちかに手段の1つとして推奨しました。

他にも、朝コミュにおいてパーフェクトとなる選択肢が「話さなくていい」だったり、逆に「……思いっ切り、言っていいぞ!」だったりと、にちかが上手く言葉と付き合っていけるようにすることが、プロデューサーとして1つ必要なことにあるように思います。

このことは、TrueEndコミュにおいて特に顕著に感じました。

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にちかの「ビッグになる」という夢、そして「本当にビッグになるかわからない」という言葉を聞いて、プロデューサーは大声で叫びます。

「ちょ……っ!プロデューサーさん!!!アホなんですか!?!?!? そんな大声で」

「大声出したのは、にちかじゃないか

事務所の屋上で、ここでアイドルになるって  大声出したのは、にちかだ

取り消さないだろ?」

 

そして、にちかも再び叫びます。

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言葉に振り回されるなら、最初に言葉を発して、自分の進む道も決めてしまえば良い。それは、にちか自身が始めたことだったけれど、取り消せないなら……取り消さないならそれをどんどん大きくしていけば、どうしたって前を向くしかなくなるのかもしれません。

 

 

 

にちかと生まれた場所

子どもは、生まれてくる場所を選べない、といったようなことはよく言われます。そして、家族との繋がり、血縁関係というものはどう足掻いても消せません。加えて、まだ高校生ともなるとそう簡単に暮らす場所も選べないでしょう。

上で少し話しましたが、TrueEndコミュにおいて、町全体を見渡せる高台でにちかはプロデューサーに自分の家族にまつわる夢を語ります。

いつか建てたいって思ってるんですよね……ビッグになって!

家 家族のための家!

お姉ちゃんとか、おじいちゃんとかおばあちゃんとか

病院にいるお母さんとか、今は住んでないけど、おじさんたちとか……

未来に増える家族とか!そういう、みんなが帰ってくる場所っていうか

この話と『明るい部屋』のコミュから考えると、七草家は父が他界、母は病院にいて、にちかは姉であるはづきと、おそらく祖父母と共に暮らしていること、そして決して裕福とは呼べない生活を送っているであろうことが分かります。ですが、(これまで見てきた中でにちかが自分の生まれについて悲観しているように受け取れるものは無かったという点からしか考えられないことですが)にちかはおそらくこのことを他人に同情されるほど不幸なものとは思っていない。

いつも、当たり前に歩いている変わらない町。自分も、その中の一部。それは全然夢がないことだけど、そんな中に家族のための家を建てることが夢だとにちかは語ります。プロデューサーが「そんな顔で笑うんだな」と思う程に穏やかに。

それは、16歳の少女が語るにはあまりに現実的で、あまりに世の中にありふれた夢であるように感じます。けれど、にちかの生まれた場所は、そんな夢を抱かずにはいられない場所だったのでしょう。

 

ここで思い出したことがひとつ。以前にも、にちかは町の雑踏と自分について話をしていました。

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この時にちかは「なみちゃんの靴に合わせなきゃダメだ」と、苦しそうにレッスンを続けていました。そうでなければ、人ごみの中で見てもらえないから。

 

「アイドルになりたい」という願いを胸にもがき苦しむことと、「家族のための家を建てたい」という夢を抱いて穏やかに暮らすこと。そのどちらが幸せなのか私には分かりません。もしかしたら、町の中で名前も知らない花の香りに思いを馳せている方が、幸せだったかもしれない。でも、にちかは八雲なみというアイドルに思いを馳せて、自分も名前を知ってもらえる誰かになりたいと願った。

そうしてにちかは、アイドルになるという宣言を取り消さないまま、ビッグになるという宣言をそこに重ねていった。いま、夢に願いを重ねていったんです。それはきっと、にちかだからこそできたことなのだと思います。

 

 

 

【試聴動画】THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -Stella- - YouTube

ラニスフィアを信じろ

 

 

 

にちかと

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にちかは、「平凡な女の子」です。

これまで書いてきた、油性ペンも、言葉も、生まれた場所も、にちかだけじゃなくて、誰にとっても、「消せないモノ」です。

にちかはきっと、さっき町ですれ違った誰かで、今はまだありふれた存在なのだと思います。私はそれを悪い事だとは思いません。

けれどアイドルは、誰かにとっての“特別”にならなければならない。そんな世界に、にちかは飛び込んだ。それはきっと茨の道で、これまで平凡な人生を描いてきたにちかにとっては厳しいものだと思います。

それでも、過去は消せなくても、その上から、続きから、未来を自由に描くことはできる。傍から見たらにちかは、アイドルに“なってしまった”、アイドルに“憧れてしまった”存在なのかもしれない。だったらそこから、とんでもないアイドルになってしまえばいい。そんなことを、一連のプロデュースを終えて感じました。

 

きっとにちかも、誰かにとっての特別になれる。それはファンにとって、仲間にとって、相方にとって、プロデューサーにとっての特別。きっとどれにでもなれる。

 

そんな思いで、にちかのこれからの、決して楽ではない新しい道のりを、隣で見守っていたいなぁと思います。

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【SideM】御手洗翔太と幸運について

 

突然ですが、御手洗翔太に関する言葉を挙げよ、と言われたら皆さんはどんなものを考えるでしょうか。

 

そして、その中に「幸運」に関するものはあるでしょうか。

 

おそらくほとんど無いのではないかと思います。私も10個言葉並べてみてあるか微妙なところです。それより先に言いたいものがいっぱいあるし。

けれど最近、この「幸運」が御手洗翔太にとって無くてはならないものなのではないかと思うようになりまして。そのきっかけについては後述します。

 

そもそも翔太ってそんなに運良いの?と言うと実はかなり良いです。

例えば

おみくじを引けば大吉だし

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エムステ『年初に捧ぐ誓いの舞』

 

スロットは狙った所で止まるし

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エムステ『遊技場のスペシャルゲーム』

(この時には花言葉が「勝利」のジンチョウゲを偶然見つけるシーンもあったりし、雨彦さんに「ビギナーズラックではなく翔太自身が運を呼び寄せている」と評されていた)

 

他にも停電や機材の不調が翔太が祈ったタイミングで直ったり、

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モバエム『サインライトイルミネーション』

(本人曰く昔からお祈りすると叶うことがよくあるらしい)

 

といったように、幸運という言葉でしか説明できないようなことが割とありました。

 

とはいえ、私自身これまで翔太の持つ運の強さについてきちんと考えたことがありませんでした。そこまでしょっちゅうこういった事がある訳でも無かったですし。(例えば315プロには不運体質の木村龍くんがいますが彼が頻繁に不運な事象に遭遇しているのに比べると圧倒的に事例が少ない)

 

 

 

ところがそうも言ってられないかもしれないと感じるイベントがありました。それは、翔太初のマラソン上位イベントとなった『Moonlit  Night Encounter』(以下MNE)です。

 

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このイベントで翔太は、「悪魔の子」と呼ばれ、やがて悪魔にその身を捧げることとなった少年ディノを演じることとなります。

このディノという少年、とにかく不運、というか不遇。拾われた日が偶然縁起の悪い日で、その場所が不気味な暗い森であったために「悪魔の子」と噂され、優秀であったにも関わらず退魔師組織LSにスカウトされたのは弟のエドワード。(理由は不明)そして住んでいた施設は潰れ、施設長も病死し天涯孤独の身となる……。

そして極めつけはかつて施設だった場所の地下に封印されていた悪魔を解き放ち、取り憑かれてしまいます。

 

「SideMの劇中劇で演じる役はそのアイドルのifである」という一説がありますが、私はこの、何もかも空っぽになったディノが悪魔に魅入られたということ、そしてディノが何度も「自分は望んで悪魔になった」と話しているのを見ながらあるシーンが頭をよぎっていました。

 

 

 

 

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モバエム 御手洗翔太通常号

翔太が初めて冬馬に出会ったシーンです。

アニメ9話でも語られていましたが翔太がアイドルになったきっかけは2番目のお姉さんが勝手に応募したこと。ですが翔太自身がアイドルをやろうと思ったのは「冬馬くんがカッコよかったから」。つまり、“アイドル御手洗翔太”としての原点です。

まっさらな14歳の少年が天ヶ瀬冬馬というアイドルに魅入られアイドルになった。

そんなシーンを、天涯孤独となった少年が古の悪魔に魅入られ悪魔になったシーンを見ながら思い起こしていました。

 

実際に翔太も、冬馬に憧れてアイドルになり、アイドルの仕事そのものに魅了されていきます。

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エムステ『夜空に架けるスターライブショー』

 

 

私が天ヶ瀬冬馬のアイドル性について書くのは100年、いや、100万光年早いと思っているのですが、アイドルになるかもしれない時にこの天ヶ瀬冬馬というアイドルに出会うということはもしかしてとてつもない幸運なのではないかと思います。そうじゃなかったら、翔太はアイドルという仕事の魅力に気づけなかったかもしれない。もしかしたらアイドルにすらなっていなかったかもしれない。

 

 

MNEのイベントストーリーや各所のセリフにおいて翔太はディノのことを「自分と全く異なる存在」として認識していることが窺えます。

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実際に北斗がこの物語のことを「壮絶な兄弟喧嘩の映画とも言える」と評した際にも、翔太自身は姉がいるものの兄弟喧嘩がどういうものか分からないと話すなど、とにかくあらゆる側面で真逆。ですが真逆であればあるほど互いの存在から見えるものがある気がして。

 

私はディノのことを、翔太の持つ「幸運」が「不運」に変化した存在なのではないかと思います。

だからこそ、ディノを見ていると、翔太にとって「幸運」は無くてはならないものなのだと感じずにはいられなかったわけです。

 

 

 

じゃあなんで翔太はそんなに幸運ボーイなの?という話。

いや、幸運なのに理由も何も無いだろと言われるとそれはその通りです。どうしてなのかは分かりません。

ですが前述した『サインライトイルミネーション』において、お祈りして何かが叶ってしまうのは自分に何か特別な力があるのでは?と翔太に聞かれた北斗がこんな話をしていました。

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神様だって放っとけない……とは?

 

翔太のリメンバーショット公開時に色んなPさんが「小さい頃からアイドルだ」といった様な反応をしていたのが印象的だったのですが、姉3人に囲まれて育った弟力に加えて何か天性の、周りを引き寄せるものがあるのかなぁ、と思います。これを幸運云々の話として良いのかまだ分かりかねますが……。

 

 

 

まだ分からないことも多いので今後の要チェックポイントだな〜と思います。絶対今年だと思ってた正月イベもまだだしな!それをかわして来たのがMNEだったんですけどね!どういうことなんですかね!

 

【SideM】未来と、過去と、今と【Tailored Suit Collection】

 

※イベスト、増刊号、サイメモ等のネタバレあり

※書いてる人はアイドル発掘オーディション時のことは断片的に把握した程度です。

 

 

 

 

皆さん『Tailored Suit Collection』のイベスト及び増刊号は読みましたか。

 

 

 

そうです、例のLegendersがデビューすることとなったアイドル発掘オーディションにて雨彦想楽クリスと共に並んでいた風間忍くんが「新進気鋭のメイクアップアーティスト」として登場しました。忍くん以外の候補生達についても言及がされました。びっくりした。

 

彼等についてはここで深く語るつもりはありません。

ただ、彼等は今この時だからこそ私達に存在を示してくれたんじゃないかなと思うんです。そして同時に、それがLegendersの歩みを裏付けているような気がしてならなかった。

 

 

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忍くんはレジェ全員の雑誌にそれぞれ登場していますが、雨彦さんの雑誌を読んだ時に色々なことが頭を巡って。

だって、クリスさんと想楽くんに続いて歩いて行くのが忍くんだった可能性も大いにあったわけじゃないですか。

もしかしたら、忍くんと雨彦さんが、全く逆の立場だった未来だってあったかもしれない。

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私は、アイドルになってからのLegendersのことしか知らずに、葛之葉雨彦の担当を名乗るようになりました。

けれどしばらくの間、雨彦さんがアイドルとしての在り方に自信を持っているのか、アイドルを楽しめているのか分かりませんでした。おそらくこの心理状態でかつての候補生と対面することになっていたら、雨彦さんの中の何かが大きく揺らいでしまうんじゃないかと本当に気が気でなかったと思います。

 

けれど雨彦さんは「彼等もどこかで頑張っているのだろうから、俺たちも負けてはいられない」と進み出してくれた。“アイドル”として。

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そして、私自身もそれを心の底から信じることができました。彼がアイドルに本気になっていることを知れていたから。

 

 

約2ヶ月前、葛之葉雨彦のSideMemoriesが実装されました。

【SideM】輝きを求めるなら【サイメモ】 - 一長一短オンデマンド

当時の感想はこっちに書いたのでここでは簡単に書きますが、ここで雨彦さんはようやくアイドルに対しての心構えを完成させたのだと思います。アイドルに対してだって欲張って良い、と思えるようになった。

これを経てからというもの、私は雨彦さんが何かお仕事をする度に、雨彦さんが本当にそれを楽しんでいてくれている気がして、それがとにかく嬉しくて。

 

この物語を経ていたからこそ、忍くんと対面してもなお自信を持っていられた、対面したからこそよりアイドルとして歩む意味を裏付けることができたんじゃないかなと思うんです。

 

だから、忍くん達が存在を示してくれたのがこのタイミングで良かったなと思うと同時に、今この時だからこその登場だったのかもしれないと思えてきて。

 

雨彦サイメモが実装された2020年12月はクリスリメショに想楽上位という怒涛の月だったのですが、それぞれがそれぞれに成長を感じさせるものだったと思います。

特に想楽上位イベントでは、想楽くんの大きなターニングポイントとなったとも言える2017クリスマスとライサムの話がイベントストーリー内でも触れられました。そして想楽くん自身も自分の変化について考えています。

 

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そして2月にはLegendersのNSEも発売され、確実にレジェが“未来”に進んでいると言える中で、久々のユニットでのお仕事がこのスーツイベ。

まさにレジェの始まり、“過去”についてここで回帰すること、そうして彼等がより自信と、選ばれたことの意味と責任を背負ってLegendersは次のステージへ歩み出したのかと思うと、感慨深くなるのと同時に文字通り背筋が伸びる気持ちになります。

 

 

とはいえ、かつての好敵手だった候補生達がLegendersの過去を回帰させるためだけに登場したのではさすがにもったいない。それだけに収まる器ではないでしょう。ただ、レジェが成長していたのと同じように彼等もそれぞれに歩みを進めていたこと、それを知ることができたのはやっぱりすごく嬉しかった。

未来のことは分かりません。彼等はこれからもそれぞれの道を歩んでいくのかもしれない。でもあのプロデューサーのことだから改めてスカウトに行くこともある気がする。

 

そんな、色んな意味で未来が楽しみになるようなそんな気持ちになったストーリーでした。

【SideM】輝きを求めるなら【サイメモ】

 

11月30日、葛之葉雨彦Sidememories実装。

 

完っっ全に油断していました。だってリメショLegendersほぼ確定だったし……。(そっちもちゃんと来た)(クリスさんかわいいね……)

個人的にリメショより怖かったのがサイメモだったのでビクビクしながら読んでいったら案の定ズタボロに泣きました。ということで色々感想を書いていきます。ネタバレ注意です。

 

 

 

掃除屋として、アイドルとして

 

サイメモが実装される2日ほど前、5thアニバーサリーブックが届きました。その中の雨彦さんと紹介文には次のように書かれていました。

 

『家業に誇りと責任感を持っており、この仕事のためにあまり本心を表に出さない。』

 

雨彦さんの家業について私の知っている限りではあくまで“掃除屋”であり、実際どれほどの事を担っているのかは想像に任せるほかありません。ただ1つ分かるのは、雨彦さんは掃除屋の仕事に誇りを持っているということ。そのために自分の気持ちを律することはあっても、自分自身のことを不幸に思うことは無かった。

そもそも彼がアイドルになったのも、掃除屋としての役割を全うするためです。

だから本当は、アイドルの仕事を本気でやるつもりは無かった。

 

ところがどっこい、そんなアイドルの仕事が面白くなってしまった。

「いっそのこと、こっちを本道にしちまおうか。」と言ってしまえるぐらい。(【2nd STAGE】カードセリフ)

掃除のための下調べをしに行ったはずなのに、ステージのことを考えてしまうぐらい。

 

そんな気持ちの自覚がモノローグとして、そしてそのことに対する戸惑いを「とある男の話」としてサイメモの中で語られます。

 

とある男の話、という例えがバレバレなのは置いておくとして、実際雨彦さんが変化し始めたのはいつからなんだろうと私なりに考えてみてパッと思いついたのが『Seaside Live』です。

もちろんここで切り替えスイッチのように変わったということでは無いですが、なんかこの時の雨彦さんすごく楽しそうだなぁとずっと思っていて。

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(海特効のついたクリスさんにノリノリでついて行く)

 

私自身モバエムを始めて最初のLegenders出演イベントがこのライブだったのでより印象に残っているということもあるかもしれませんが、少なくともこのストーリーで、この人はアイドルの仕事を心から楽しんでいる、ということが伝わってきました。

この時にどうしてここまで楽しそうだったのかはハッキリとは分からないのですが、その後怒涛のジャズイベ、サイバネを挟んで陰陽師とB.N.M!がやって来て同じユニットのメンバーが大きな変化を見せたこともありました。

雨彦さん自身も、アイドルとして掃除を続けようと決意をしたり(5thアニバイベスト)、万華鏡のようなアイドルになれたら良いと話したり(【万華歌謡祭】カードセリフ)と、アイドルの仕事に前向きに取り組んでくれていることが分かります。

 

それでも彼は“掃除屋”です。その誇りと責任感だって捨てる訳にはいかない。雨彦さん自身、アイドルへの思いを律しようとしていたのかもしれません。少なくとも華符演舞祭の時はそんな素振りを見せていた。(逆に言えば今は自分では律しきれないぐらい気持ちが大きくなっているとも言える)

 

 

そんな思いで揺れる雨彦さんにプロデューサーは言います。

「大事なものは、いくつあってもいい」と。

 

 

 

…………ほんっっっっとうに、こんな美しい答えがあって良いんですか?

 

私Pとしてもそりゃ雨彦さんに全力でアイドルやって欲しいと思っていたけど、そのために家業のことを蔑ろにするようなことをプロデューサーにも、雨彦さん自身にもとてもじゃないけど言って欲しく無かった。だって誰がなんと言おうとずっと大事にしてきた誇りには変わらないんだから。

 

だったらどっちも大事にすれば良い。もっと欲張って良いんだよ。

そう雨彦さんが感じてくれたことが本当に嬉しくて。

 

 

サイメモ冒頭で、怪しい影の噂が出てきた時に(家業のことが掘り起こされるのだろうか…)とドキドキビクビクしていたのですが、そっちの方は、なんとなくその役目も全うできたんだな、と察せるぐらいで明確に語られることはありませんでした。

当然、知りたくないと言えば嘘になりますが、そのことにホッとしたりもして。多分この辺りのことは心を開いたからといって話すことでは無いのだと思います。(そういう側面はSideM全般にありますが)

そういった意味ではいずれやって来る雨彦さんのリメショへの心構えがちょっとできたような気がします。まぁ昔の雨彦さんってだけでキャパはとうに超えてるんですけどね!

 

兎にも角にも、欲張りになった雨彦さんがこれからどんな姿を見せてくれるのか、とても楽しみです。

最後のタイトルの『また次も一緒に』なの……ニクイな……本当に……。

 

 

 

 

モバとステ

(この文章を書いている人間はモバとステは別の世界線だという認識でいます)

 

ここからはちょっと余談。

 

個人的にエムステの雨彦さんの方がモバエムの雨彦さんより先を進んでいるなぁという意識がありまして。

どっちが良いとかいう話ではないのですが(そもそもステの方では掃除屋の話はあまり出てこないですし)、ステのイベストを読んでいると、アイドル葛之葉雨彦の進むステップとして2段階踏むべきものがあるように感じていました。

1つ目は「アイドルの仕事に本気で取り組めるようになること」、2つ目は「アイドルとしての自分の魅力を理解し広げていくこと」。

 

1つ目について、ステの方ではWTフランスに端を発し、チャイナウエディングで明確に固まったように思っています。で、モバの方も今回のサイメモで掃除屋の仕事と同じぐらい本気で取り組んでくれるようになった!と明確に思えたのでここは乗り越えられたんじゃないかなと思っています。

 

そして2つ目。

ステの香水イベを読んでください。(懇願)

紅葉イベ〜遊技場イベ〜辺りで基礎を固めて応用に入ったのがあの帽子屋だと思う。

元々ポテンシャルがすごいのでそれを自覚したらとんでもないに決まってるんですよ。モバだとどうなると思います?

悪役のオファーが多いという話もあったりと、今までの仕事にそのヒントが隠れているかもしれない。それとも全然違った姿を見せてくれるかもしれない。

 

追い付け追い越せ〜という程では無いですがどっちも楽しみというか……ドキドキします。

 

 

 

 

Sweep Your Gloomと葛之葉雨彦

 

もうひとつ余談。

 

雨彦さんのソロ曲『Sweep Your Gloom』ってなんだか未来の雨彦さんから今の雨彦さんへのメッセージソングみたいだなぁと思うことが何度かありました。

この曲聞いた当初はどんな気持ちで歌ってるんだ……とちょっと引っかかることもあったのですが、サイメモを経た雨彦さんなら以前の雨彦さんに歌うことができるんじゃないかなと思います。今ならまた違った歌い方をするのかもしれない。

この考えにイマイチ自信は持てていないのですがあくまで解釈のひとつとして書き残しておきます。

 

純粋な願いなんだろ?

磨けばまたきっと光る

輝きを手に入れるなら

一瞬だってもう、諦めるな

 

 

というかNSEの楽曲も迫ってるんだった……。どんな曲をどんな風に歌ってくれるのか今からソワソワしちゃう……。(というかもしかしてNSEに間に合うようにサイメモ実装されたとかあるんですかね……まさかね)

 

 

 

 

 

 

色々と書きましたが、アイドルに全力になってくれた雨彦さんをこれからより一層全力で応援していきたいなと思います!ありがとう!これからもよろしくね!

【虹ヶ咲】桜坂しずくというスクールアイドルについて【スクスタ】

 

 

この文章は自分の中で“桜坂しずく”について整理するべく個人的な見解に基づいてスクスタの各ストーリーを振り返ったものです。故にネタバレを多量に含むのでご注意ください。

(ここでは「あなた」のことを「先輩」と表記しています)

 

 

 

 

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桜坂しずくは、物語の世界が大好きで、自分もその世界の一部になること、つまりその登場人物を演じることが大好きな少女です。

だから将来は女優になることを志し、その勉強のために、高校では演劇部と両立してスクールアイドル同好会に所属します。

 

 

“演じること”とスクールアイドル

女優という将来の夢のため、と言っても真面目な彼女はスクールアイドル活動にも決して手を抜くことは無く、それどころか共に頑張る仲間の影響で、いつしかスクールアイドル活動にも夢中になっていきます。

 

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サイドエピソード「叶えたい、夢」より

とは言っても、やはり彼女は演じることが大好き。スクールアイドル活動においても演じることで見ている人を楽しませようとしていました。演じるのはしずく自身が魅力的に思うスクールアイドル。

 

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キズナエピソード6話より

しかし、スクールアイドルのステージは自分と完全に違う誰かを演じる女優の舞台とは異なり、自分自身を魅せるもの。演じていることでステージがちぐはぐなものになっていると先輩に指摘されたしずくは演じるのでは無く自分をありのままに出すステージに挑戦します。

結果は上々。客席も今までで1番の盛り上がりを見せました。けれど当のしずくの心にはモヤモヤが残ります。

それは、ありのままの自分を出したステージが賞賛されたことで、これまで信じてきた「演じる」ことが否定されたように感じたこと。そして何より、スクールアイドルとしての拠り所となる“自分らしさ”が何であるのか分からなかったこと。

 

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キズナエピソード7話より

そこからしずくは、自分らしいスクールアイドルの在り方を模索していきます。

 

 

“桜坂しずくらしさ”とは?

自分らしさを見つけるべく、しずくは単身でAqours、そしてμ'sの元へ向かいます。

 

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キズナエピソード8話より

ここで梨子も言っていますが、壁にぶつかって、そこから単身で沼津まで赴けるのはなかなかに行動力あるな…と思います。慎重ではあるけれどこうと決めたら曲がらない、大胆に動ける子なんですよね。

 

そしてここで千歌がスクールアイドルになろうと決めた時の話を聞きます。

「μ'sのライブを見て、私たちもあんな風にキラキラ輝きたいって思ったの!」

「それは、μ'sの真似から始めたということですか?」

「ううん、違うよ。μ'sの真似をしても、μ'sみたいにはなれないもん」

憧れはμ'sだったけれど、μ'sの輝きはμ'sだけのもの。だからAqoursAqoursだけの輝きを見つけたい、と千歌は言います。

 

その後、μ'sのもとでも同じように穂乃果から話を聞きます。穂乃果も初めは憧れからだったという話を聞いた後に、今度はしずくが逆にμ'sからアドバイスを求められます。それは鳥を演じることになった穂乃果に対してのもの。なんでも穂乃果は鳥の気持ちを知るために屋根から飛ぼうとしていたそう。

鳥そのものになろうとする穂乃果の考え方はしずくの目には意外なものに写りました。

 

そうしてしずくは、自分のやり方の間違っていた部分に気が付きます。それは、これまでの自分の演技は演じる役そのものになるのでは無く、その役を演じる他の誰かの真似をしていただけだったということ。それでは「自分なりの表現」とは言えない。自分自身の輝きを見せられていなかったのです。

そのことにややショックを受けたようなしずくでしたが、それでも諦めず、今度は同好会のメンバーを見てなりきっていくことで自分らしさを探っていきます。

 

そうして、しずくがたどり着いた結論は1つ。

 

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キズナエピソード11話より

自分には、やはり演じることしかできない、ずっと前から演じることが大好きだから、これからも演じ続けたい。それが、しずくの出した答えでした。

そしてしずくはAqoursやμ'sとの話の中で見つけた問題を克服するため、そして演じることを極めるため、自身の演じたいスクールアイドルを、1人の役に落とし込んでいきます。そしてそれが、“桜坂しずくらしい”表現となっていきます。

 

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自分の大好きな世界を魅せる

その後、演じることを追求していくことを決めたしずくは、自身のファンクラブを作り、そこで行うイベントについて考えることとなります。。しかし、他の同好会のメンバーがやりそうなことは想像できても、自分のことになるとよく分からないと言います。そこで先輩から「しずくちゃんが楽しいと思うことを共有しよう」とアドバイスされたしずく。

しずくが楽しいと思うことはやはり演じること。しかし、観客と演じることそのものを共有することはできません。そこでしずく自身が考えた物語を伝えることでその楽しさを伝えようと朗読と歌を合わせたパフォーマンスをすることに。そしてそこで披露する物語について考え始めます。

 

しずくの披露したい物語の世界観、それは「この世界は演劇そのもの」ということ。

人生は舞台そのもの。その物語をしずくは「すべての、はじまりの物語」と称します。

そして、しずくの考えた物語が語られます。

 

「数えきれないほどのスクールアイドルたちが、私の中から溢れ出す」

「明日はどんなスクールアイドルを演じよう?どんな人生を演じたい?」

「演じることと、スクールアイドルが大好きな私を引っ張ってくれたその手」

「だから私は、今日も演じる。そして、伝える。私のなかの、最高のスクールアイドルを!」

 

同好会の仲間の存在、背中を押してくれる先輩、そして、演じることを諦めることなくスクールアイドルでいられること。それら全てに対するしずく自身の喜びが、その物語からひしひしと伝わってきます。

しずくが言うには、その物語の主人公はしずくであってしずくではないイメージとのこと。

 

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キズナエピソード20話より

 

しずくがファンのみんなと共有したいと思った世界はしずくの生きる大好きな世界を物語として再構成したような、そんな物語となりました。

 

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キズナエピソード21話より

 

そして、そのステージを見て楽しんでくれたファンのみんな。それに支えられるしずく。たとえ演じるステージであっても、スクールアイドルとファンの相互の関係が成り立っていることが描かれます。

 

キズナエピソードは現在ここで更新が止まっていますが、その後メインストーリーにおいて大きな転機が訪れます。

 

 

そこにあったのに、わからなかったこと

その転機というのは、スクールアイドル部の台頭です。

同好会への妨害で練習もステージもままならず、その上ミアの作る才能溢れる楽曲とランジュの圧倒的なパフォーマンスによって学園の生徒たちも次々に部を応援していくようになっていきます。

そんな中でもどうにかゲリラライブを行って同好会の立て直しを図りますが、それすらも部によって観客がほとんどいない状態になってしまいます。

 

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ストーリー第20章第9話より

 

まばらな観客。それでも自分のステージを貫いたかすみは笑顔で舞台袖に戻ってきます。

そんなかすみを見て、しずくは「今の自分はあんな風には言えない」と感じ、自分自身もそれに負けたくないという思いを抱きます。

 

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ストーリー第20章第10話より

そして、部の圧倒的なステージと、それでもなお忘れられない同好会のステージが何が違うのか、それを自身の目で確かめ、自分もかすみに負けないステージを作るため、しずくは部への移籍を決断します。

 

その後、部での活動をスタートしたしずくは部の整った設備や練習メニュー、そしてランジュの完璧なパフォーマンスを目の当たりにします。そして、自分の追い求めるスタイルはこれなのかもしれないと考え始めます

そうして厳しい練習を重ね、部のステージでソロパートを任せられるに至りました。その完成度は同好会の頃より格段にレベルアップしていました。けれど、そのステージを見た先輩とかすみはどこか違和感を感じます。

 

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ストーリー第21章第5話より

いつものしずくとはどこか違うライブ。技術は向上していたものの、「声が届かなかった」とかすみは言います。それだけでしずくは納得できませんでしたが、それ以上言葉にすることができなかったかすみは自分のライブでそれを教えると宣言。かすみには分かっていて、しずくが分かっていないこと、それをライブで伝えると言ってかすみは立ち去ります。

 

そして同好会のゲリラライブ当日。

技術は及ばなくても、全力のかすみのステージにしずくは次第に引き込まれていきます。

 

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ストーリー第21章第6話より

 

元はと言えば、かすみに負けたくないという思いで部への移籍を決断したしずく。そして部での洗練された練習を積み重ね、技術は格段にレベルアップし、これが自分に合ったやり方だと思うようになった。それなのに、まだかすみに叶わない。この間まで自分も同好会にいて、さらに部での経験も手に入れたのに、どうして自分にはあんなライブができないのか、しずくはまた深く悩みます。

 

そんな中、しずくは1人で部のステージに立つことに。

ミアの作った楽曲に1番マッチしたのがしずくだった。だから、その楽曲に合った世界観をステージの上で披露して欲しいと言われます。

ステージ上で独自の世界観を披露することはこれまでもしずくがずっとやってきたことです。しずくの1番得意なことであるはずなのに、かすみのライブを見た時のような感動を感じることができません。

 

自分がどうしたいのか、どうしたらいいのか分からなくなったしずくは先輩に相談をします。

そこで尋ねたのは「先輩はどんな風に曲作りをしているのか」ということ。

 

「私にあるのは、スクールアイドルのみんなが大好き、ってことだけ」

「でね、そんな私が『好き!』って思ったみんなの魅力は、きっとみんなのファンの人たちも同じように『好き!』って思ってると思う」

「だから、私はそのみんなの『魅力』を曲にぎゅーって詰め込んでるんだ」

 

同好会のメンバーを直接支える存在でありながら1番のファンである自分が思うみんなの魅力を楽曲に込めていると先輩は言います。

そんな話をするうちに、同好会で初めての曲を作った時のことを思い出すしずく。そして、かすみのライブで胸を揺さぶられた理由について少しずつ見え始めてきます。

 

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ストーリー第21章第8話より

スクールアイドルが自分の全力をステージにぶつけ、それをファンが全力で応援して、それを糧にスクールアイドルはさらに頑張っていく。それは、圧倒的なパフォーマンスと演出で魅了していく部のステージには無かったもの、そしてしずく自身も同好会のライブでずっと作り上げてきていたものでした。

そして何より、スクールアイドルが自分の全力をステージにぶつける上で大きな力となっていたのが、先輩が一つ一つに1人1人の魅力ややりたいことを詰め込んだ楽曲でした。

 

「私の曲にも、私自身にもあったんですよ……!」

「曲を通して私が伝えたい気持ち、受け取ってもらいたい想い、そしてそれを受け取ったみんなの声……」

「みんなで作り上げてきて行きたい私の世界、表現は……スクールアイドル同好会の表現は、ただ演じるだけじゃなかったんですね」

「先輩が──応援してくれるみんながいてくれて、一緒にステージを作るからできる表現、それが私たち虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のパフォーマンスなんです!」

 

しずくにも、かすみに負けないくらい魅力的なステージを作ることができていた。ただ、演じることに夢中になっていたしずくはそこがきちんと見えていなかったのだと思います。

周りのことは見えていても、自分のことになると不器用になってしまう。そして、それすらも魅力のひとつとなるのが同好会のステージでした。

 

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その後、しずくは部で任されたステージを終え、ランジュ達に賞賛されます。

ランジュに「次のパフォーマンスが楽しみ」と言われたしずくはそのままランジュ達をとある場所に連れていきます。そこは、同好会のゲリラライブ会場。

そこでしずくは、演じることと観ている人と一緒になれること、その両方を大切にできる同好会のステージに自分自身の思いをぶつけます。

 

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ストーリー第21章第9話より

 

演じることが好き。だから、スクールアイドルのステージでも演じていたい。でもしずくの大好きな同好会のステージはそれだけじゃなくて、観ている人と一緒に作れるステージ、観ている人のために演じられるステージだった。それは、桜坂しずく自身の純粋な気持ちでした。

 

 

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ストーリー第21章第10話より

 

そんなしずくのステージを見たかすみは「声が聞こえた」と言います。

かすみは多分、しずく自身が見えていなかったしずくのステージの魅力を感覚的にとはいえずっとわかっていたんだろうなと思います。

 

そうして、自分の気持ちがはっきりと見えたしずくは同好会に戻ることになります。

今後同好会と部がどうなっていくのかは分かりませんが、しずくはこれからも自分のステージを貫いて行けるんじゃないかな、そうだと良いなと思います。

 

 

 

◇後書きのような何か

ストーリー第21章公開前、いや2ndseasonが始まる前から、ずっと桜坂しずくをどう捉えたら良いのか、どう応援したら良いのか分からずにいまして。というのもキズナエピソード第20話で『やがてひとつの物語』に関わる話が語られた時、「本当にこれで良いのか?しずくの言う『ハッピーエンド』は本当にハッピーエンドなのか?」という思いがぐるぐるしていました。その中でしずくによって語られた物語の主人公は誰がどう見ても桜坂しずくそのものだったのですが、その主人公はいつも違うスクールアイドルを演じようとしていて、それが桜坂しずくそのものだと考えるといつかしずく自身が見えなくなってしまうのではないか?という思いに駆られて。

そんな中で投げ込まれたのが20章から21章の1連のストーリーでした。

全般的に見るとツッコミどころは多いし、そこはもう少しなんとかなったやろ!という所はあるのですが、桜坂しずく個人の物語としてはすごく大好きなストーリーです。

スクールアイドル桜坂しずくにとっての「演じること」は自分ではない誰かになることだけじゃなくて、自分自身をその役に乗せて見せていくことも含まれているんだと考えられるようになったんです。

「あなたのヒロイン」という言葉、そして『やがてひとつの物語』のMVの一緒にステージ上で踊っているようなカメラワークも、演じるしずくを介してしずくの大好きな世界に入り込んでしずく自身と一緒に楽しめるということが表現されているんじゃないかな、それが桜坂しずくのステージなんだと思えるようになりました。

 

 

もちろん人によって受け取り方は違うと思いますが、こういう受け取り方ができたことで私も、全力でしずくのことを応援できるようなったなと思えました。それが嬉しくて、どうにか自分の中で桜坂しずくの物語をまとめたものを残しておきたいと思ったのですが、長いな……。(ここまで6000字)(これでも色々削った)

それだけのパワーがあったということでひとつ、閉めたいと思います。

これからもしずくの大好きな世界を見せていって欲しいな!