一長一短オンデマンド

2次元オタクのあれやこれや

【SideM】Legendersというユニットのこと

 

『タイムプリディクション〜時空の監視者〜』、イベントを終えて改めて読み返してみると、これまでのLegendersの歩みがたくさん、たくさん詰まったストーリーだったなぁと思ったので、全部とはいかないまでも、考えたことを書き残しておこうと思います。

 

 

はじまり

仕事を終え、オフの日の過ごし方を話す3人。バラバラなのはいつものこと。ですが、プロデューサーの提案で、共に時計の博物館へ行くことに。

思えば、プロデューサーに選ばれてユニットという一所に集まることになった3人。それぞれの用事を済ませてから集まるというのも彼ららしいです。

 

 

大海原を進むために

博物館では、マリンクロノメーターを見つけたクリスさんがその歴史を語ります。マリンクロノメーターは、揺れる船の上でもブレることなく正確な時間を示すことで、衝突や座礁、漂流を防ぐもの。ゆらゆら揺れる振り子時計ではその役割は果たせませんでした。

Legendersはメンバーそれぞれの在り方を貫き、そして互いに尊重し合うことをその指針としているユニットです。

「互いの世界を尊重し合うのも、信頼の形だろう」(Seaside Live イベントストーリーより)

 

「私たちLegendersは各々のやり方があります。尊重しあっているのです」(【Seaside Live 】古論クリス カード台詞より)

 

ユニットとしての活動においても、それぞれがブレることなく、抱えた信念を貫き続けることを何より大切にしてきた3人。

そして、船がその航海を進めるのに必要だったのは、正確な時間と、太陽の位置。315プロの後輩アイドルとしてデビューしたLegendersは、先輩達からたくさんのことを教わり、刺激を受け、その背中を追いかけながら走り続けてきました。

 

 

絶え間ない繋がりの中で

そんなこんなであっという間に映画の撮影が開始。激しいアクションシーンも多いということで、撮影前にストレッチをするHigh×Jokerの2人。その輪は想楽くんとクリスさんにも広がり、後に雨彦さんにも伝わります。

 

以前、『秋夜の音楽祭〜JAZZ BARへようこそ~』イベントを発端としたテーピングの縁が繋がったことがありました。

コントラバスの練習で指を痛めてしまったクリスさんは、共演していた神楽麗さんにテーピングを施してもらいます。その効果に感動し、テーピングの方法も教わることに。そして仲間に対して「テーピングが必要になればいつでも言って欲しい」と言えるほどに習得することになります。このイベントの中ではクリスさんが誰かにテーピングを施すシーンは無かったのですが、後の『日常での一コマ』(旧 事務所での一コマ)でその研鑽が進んでいるという話が。

「あれ、クリスさん、指以外にもテーピングできたのー?」

「はい、みなさんの役に立つかと思い研究しているのです」

(事務所での一コマ 2019/03/28~04/09「仲間のために」より)

そして、自分の身体を使って実証を進めていたことを窘められますが、この話題はなんとここでも終わらず、この寸劇の直後に開催された『Fruitful Fruits☆Live!』イベントの中で、想楽くんが橘志狼くんにテーピングを施すシーンがありました。

「前にクリスさんに何度もやってもらってるうちに、僕も覚えちゃってさー」

ここで、想楽くんが覚えてしまうほどにクリスさんがテーピングを施していたことが明らかになります。ただこの時、雨彦さんもこの一連のテーピングの繋がりに加わっていたのかどうか、分からないままに時は過ぎていきました。

 

そんな一方で、隼人と春名に教わった、撮影の合間のストレッチは3人で行われていきます。そしてその中で、想楽くんは雨彦さんに思いの丈を口にすることとなります。

 

 

共に並び立ちたいと願うならば

「雨彦さんってそういうところあるよねー。踏み込まないっていうか、踏み込ませないっていうかー」

これまでにも何度か、特に自身への質問についてのらりくらりとかわしてきた雨彦さんですが、ここに来て、おそらくこれまでで1番ハッキリとした言葉で想楽くんにそのことを指摘されます。

そしてその言及に対して、「気に障ったなら悪いことをした」と素直に謝ります。(この反応を見るに、雨彦さんが踏み込まない・踏み込ませないようにしてきたのは無意識的な側面も大きかったのかなと思います。)

そんな雨彦さんのことをクリスさんは「飄々としているのが雨彦の良いところ」だと言い、想楽くんも「気に障ったわけではない」と話します。

それでも想楽くんの言葉と、自身が演じた暁ナハトに対して思うところがあったのか、雨彦さんは2人に少しずつですが自分の思いを話始めます。

 

暁ナハト、そして彼が作った「偉大なる父」による統制は、葛之葉雨彦が辿るかもしれなかった道を示唆しているように感じます。性別によって役割が決められた中で、掃除屋としての使命を果たすことだけにその生涯を捧げる、葛之葉家の中である種定められた人生。そんな人生も、雨彦さんが歩むものとしてもしかしたら存在していたかもしれない。

そして、定められた未来に固執し続けたナハトは、未来を自分で選ぶことを望んだ理人やノイ達に葬られます。

 

そんなナハトと対比するように、雨彦さんはクリスさんと想楽くんに歩み寄っていきます。

「お互い、話してないことがまだいろいろとある気がしてるんだ。俺たち3人はバディだからな。これからもよろしく頼む、ってことさ」

 

一連の言葉を聞いて、(少しばかり唐突な行動なことも含めて)雨彦さんはもしかして少し焦っているのかなぁと思いました。自分のこれまでの言動ではもしかしたら2人に向き合えていなかったかもしれない、これからも共にいるためにはちゃんと話をしなければならない、と。(それでわざわざ「海に行かないか」と提案する辺り本当にこの人はこういう時不器用なんだろうなと思います。)

そしてその焦りは雨彦さんがそう思えるほどに2人が大切な存在であるということでもある。

今の雨彦さんは、少なくとも掃除屋の仕事と同じくらいアイドルの仕事に全力を傾けていて、雨彦さん自身もそれを楽しんでいるように思います。そして、これまでの、これからの道程に2人の存在は不可欠だったでしょう。自分たちのユニットとしての在り方、個性はバラバラでも同じ未来を共有しているという在り方にも自信と誇りを持っている。

f:id:akgmjp:20210920224726j:image

(アウトドアミュージックフェス2021 増刊号『気持ちはひとつ』より)

 

だからこそ、2人と並んで話がしたいという思いを、初めて自覚して、行動に移そうとしたのでしょう。

海に行って、3人並んでどんな話をしたのかは知る由もありませんが、彼らの繋がりはこれからも変化を重ね、より強くなっていくのではないかと思います。

 

 

個性豊かな3人が、それぞれの信念を貫きながら、互いを尊重し、同じ未来を目指していく。

Legendersの在り方は、ずっと変わってはいません。ですが、3人がそのユニットとしての在り方に自信を持ち、尊重し合うまま歩み寄り、時に自分と、時に互いに向き合いながら共に並んできた。

そんな彼等の未来はまだまだこれからも未知数で、だからこそこの航海が楽しみで仕方ないなということを、今回のイベントを通して思ったまでです。